Bio-Station

Bio-Stationは日々進歩する生命科学に関する知見を、整理、発信する生物系ポータルサイト、を目指します。

バイステポッドキャストまとめ/お問い合わせフォーム

" data-en-clipboard="true">これまでのバイオステーションポッドキャストをまとめました!随時更新予定です! " data-en-clipboard="true">Spotify, Google podcast, iTunesなど各種配信プラットフォームでも聞くことができます。 " data-en-clipboard="tru…

バイステではポッドキャストを開始します!

バイオステーションでは新しい試みとしてポッドキャストを始めます! バイオステーションではブログやツイッターで論文紹介を行っており、おかげさまで多くの人に読んでいただいているようです。ありがとうございます! 一方で、この方法では論文を読むだけ…

正確な翻訳が寿命を延ばす?

正常なタンパク質を作ることは個体の生存に重要であると考えられているが、タンパク質翻訳のエラーが寿命に与える影響については分かっていないことも多い。 というわけで今回タンパク質翻訳の正確性と寿命の関係に迫った論文を紹介する。 Open Acessなので…

2021年生命科学研究まとめ&2022年展望

今回は大みそかということで、管理人の独断と偏見による2021年生命科学研究のまとめと2022年の展望を紹介していこうと思います。 学生の漫談みたいな感じなのであしからず。昨年の2020年まとめ&2021年展望はこちら。 全体のまとめ、神経幹細胞研究、今年面白…

2021年 ノーベル医学生理学賞;温度と圧力のセンサー分子の発見

2021年のノーベル医学生理学賞は「温度や圧力を生物はどのように感知するか?」という謎に取り組んだデビッド・ジュリアス氏とアーデム・パタプティアン氏に授与されます。 David JuliusさんとArdem Patapoutianさん Biostationでは、受賞対象となった研究に…

植物の水分センサー

水は生命にとって必須であるが、多くの生物は水が欠乏した状態にも耐えうる方法を獲得している。 その中でも植物の種子は数年から数千年の間、乾燥した条件の中でも生存し続けることができる。 種子は水を吸収すると細胞活動を再開し発芽する。この適切な水…

DNAメチル化が遺伝子発現を抑えるメカニズム@植物

DNAメチル化は、遺伝子やトランスポゾンの転写抑制に関連している有名なDNA修飾であるが、DNAメチル化がどうして転写を抑制できるのかは不明な点も多い。 哺乳類はいくつかのメチルCpG結合ドメイン(MBD)タンパク質を持ち、これらのタンパク質はメチル化され…

ウィーン滞在記(2)

管理人が2021年4月から3か月ほどオーストリアのウィーンに短期滞在しておりましたので、前回に続きましてウィーン滞在記(2)となります。 今回は研究のことについてご紹介していこうと思います。 --- まず滞在している研究所なのですが、IMP(Institute for mo…

ウィーン滞在記(1)

今回は論文紹介ではなく管理人の雑記になります。 管理人が2021年4月から3か月ほどオーストリアのウィーンに短期滞在しておりますので、その様子などをお伝えすることで皆様のお役に立てればと思います。 今回は渡航までの経緯などをご紹介しようと思います…

DNAの傷が転写を活性化する?

細胞の中でDNAはヒストンやその他たくさんの非ヒストン性クロマチン因子によってパッキングされている。 これらの因子によるゲノム構造の制御が、正常な遺伝子発現のコントロールには重要である。 この中でHMGA2という因子が胎生期の細胞やガン細胞などで高…

脊髄の再生を促進するグリア細胞の性質変化

今回紹介する論文では、ゼブラフィッシュの系を用いてグリア細胞の上皮間葉転換(Epithelial-to-Mesenchymal Transition, EMT)が脊髄損傷後の再生に重要であることを見出した。 我々哺乳類とは異なりゼブラフィッシュは高い再生能を有し、脊髄が損傷しても6-8…

ゲノム中の塩基配列の偏りの意義?

生物のゲノムはATGCの4つの塩基の組み合わせからなる。 このA, T, G, Cはゲノム中に均等に存在するわけではなく、ある一定の偏りを持って並んでいる。 では、この塩基の配列の分布の偏りは何か役割を持つのだろうか? これまでCG配列に結合する因子とその機…

2020年生命科学研究まとめ&2021年展望

今回は大みそかということで、管理人の独断と偏見による2020年生命科学研究のまとめと2021年の展望を紹介していこうと思います。 学生の漫談みたいな感じなのであしからず。昨年の2019年まとめ&2020年展望はこちら。 全体のまとめ、神経幹細胞研究、クロマチ…

自閉症リスク因子が脳発生に与える影響を一網打尽に!

私達の遺伝情報をコードするゲノムの変異は疾患に結び付くことが知られている。 特定の遺伝子が疾患に結び付くメカニズムとして、ノックアウトマウスを用いた研究などが盛んに行われてきた。 しかし、ノックアウトマウスの作成および解析は大変な労力が必要…

相分離を駆動する"ヌクレオソームコア"の構造変化

私たちのゲノム情報をのせたDNAは、細胞核の中でヒストンやその他の非ヒストン性タンパク質群と共にクロマチンを構成する。 クロマチンは一般に緩い構造を取ると遺伝子発現が活性化しやすく、凝集した構造を取ると遺伝子発現が抑制されやすい。 このようにク…

真のオス化遺伝子の発見!?

今回珍しく日本人の方の論文を紹介させていただきます。関係者の方(に限らず)間違いなどございましたらご指摘いただけると幸いです。 ---- 性別をきちんと決定することは種の生存及び進化に非常に重要である。 これまで哺乳類のオス化を決定する遺伝子として…

タンパク質ノックダウンで見えてきた新しい転写制御機構

遺伝子の発現がいかに制御されるか、という疑問は生物学において最も根源的な問題の一つである。 多くの遺伝子はRNAポリメラーゼII(以下PolII)によって転写されるため、PolIIの制御機構を知ることが遺伝子発現制御メカニズムを知るうえで大きなカギとなる。 …

2020年ノーベル医学生理学賞;C型肝炎ウイルスの発見

2020年のノーベル医学生理学賞は「C型肝炎ウイルスの発見」でHarvey J. Alter, Michael Houghton, Charles M. Riceの3氏に授与されます。 今回受賞する3氏 Biostationでは、受賞対象となった研究についてまとめてみようと思います。内容は概ねノーベル財団の…

再生に伴う遺伝子発現のダイナミックな変動

再生能が限られている私達ヒトを含む高等脊椎動物と異なり、メキシコサンショウウオ(アホロートル、ウーパールーパー) は成体においても高い再生能を有し、器官レベルの再生を行うことが可能である。 再生の過程では一度分化した細胞が多分化能を獲得し、さ…

細胞外タンパク質の品質管理

タンパク質の異常な凝集などは、神経変性疾患をはじめとして種々の疾患の原因となりうることから、タンパク質の品質は生体内で保たれる必要がある。 これまで細胞内でタンパク質の品質管理を担う因子は数多く同定されてきたが、細胞外タンパク質の品質がどの…

腸内細菌が宿主の行動を変化させる!?

私達人間を含む動物は、腸内細菌をはじめとして多くの生き物と共生している。 これまで、腸内細菌が宿主の行動を変えうることを示唆することが報告されてきたものの、そのメカニズムはあまり分かっていなかった。 今回、ある種の腸内細菌が神経伝達物質を合…

自己と非自己を分ける免疫のメカニズム

はじめに 昨今、がん・アレルギー患者や新興感染症の感染者数は増加の一途をたどり、社会的にも免疫学への関心が高まっています。そもそも免疫は、「自分を攻撃せず」、外敵を攻撃するというシステムです。免疫が自己に対して攻撃しないことを免疫寛容といい…

幹細胞のグランドキャニオン?

DNAは折りたたまれて細胞核の中に収納されている。 DNAの折りたたまれ方にはいくつか種類があって、近いDNA同士がループ構造を作ったり、エンハンサー同士がぎゅっと集まったりする様式が知られている。 この折りたたまれ方の違いは遺伝子発現を制御するする…

転写因子のヒストン自体への結合が細胞運命に重要?

私たちの体は多様な細胞種によって構成され、それぞれの細胞に正しく分化するにはそれぞれの細胞群に必要な遺伝子セットが活性化される必要がある。 細胞分化に伴って特定の遺伝子セットを活性化するには、それまでクロマチンが閉じていた領域をオープンにし…

バイオステーションはラインボットをリリースします!

バイオステーションはこれまで主に本サイトとTwitterをメインに運営してきました。 この度さらに裾野を広げるため、ラインボットによる新着論文紹介をスタートさせます。 お友達になるにはこのリンクからお願いします→ばいおすてーしょんとお友達になる この…

細胞老化に伴う細胞核状態の変化

今回は細胞の老化とクロマチン状態の関係について迫った論文を紹介 細胞は無限に増殖し続けられるわけではなく、ある状況下において細胞増殖を停止させることが知られている。 この細胞増殖の停止は細胞老化と呼ばれ、SA-β-galの蓄積、細胞周期抑制因子p16や…

タンパク質なしにリポソーム内部に特定の物質が濃縮される現象の発見_筆頭著者による論文紹介

今回は筆頭著者の論文紹介として、東京大学大学院総合文化研究科、豊田太郎研究室の杉山博紀(すぎやまひろのり)さんに記事をご寄稿いただきました!ぜひ最後までご覧ください! ---- 生命はどのようにして誕生したのか,生命科学に携わる人なら一度は考え…

ヒストン修飾と相互作用する新規タンパク質の網羅的同定

正確な細胞運命の制御には、正確な遺伝子発現の制御が重要である。 厳密な遺伝子発現の制御のために、DNAを巻き付けるヒストンのメチル化やアセチル化といった化学修飾が大きな役割を果たすことが知られている。 これまでにヒストンの化学修飾(メチル化/アセ…

ヒトらしい脳ができる分子メカニズム

今回はヒトらしい脳ができる分子メカニズムに迫った論文を解説。筆頭/責任著者の難波さんからコメントを頂いていますので、ぜひ最後までご覧下さい! 目次 管理人による論文解説 管理人コメント ★筆頭/責任著者の難波隆志さんからのコメント 管理人による論…

脊椎動物の「休眠状態」の分子メカニズム

いくつかの生物は過酷な環境を生き抜くために特殊な能力を身につけてきた。 例えばリスやクマは冬を越すために冬眠するし、マウスも絶食,寒冷,恒暗などの状況下では低体温,活動量の低下を伴う非活動状態(torpor)になる(1)。 このような特殊能力の一つとし…