Bio-Station

Bio-Stationは日々進歩する生命科学に関する知見を、整理、発信する生物系ポータルサイト、を目指します。

神経科学

自閉症リスク因子が脳発生に与える影響を一網打尽に!

私達の遺伝情報をコードするゲノムの変異は疾患に結び付くことが知られている。 特定の遺伝子が疾患に結び付くメカニズムとして、ノックアウトマウスを用いた研究などが盛んに行われてきた。 しかし、ノックアウトマウスの作成および解析は大変な労力が必要…

腸内細菌が宿主の行動を変化させる!?

私達人間を含む動物は、腸内細菌をはじめとして多くの生き物と共生している。 これまで、腸内細菌が宿主の行動を変えうることを示唆することが報告されてきたものの、そのメカニズムはあまり分かっていなかった。 今回、ある種の腸内細菌が神経伝達物質を合…

ヒトらしい脳ができる分子メカニズム

今回はヒトらしい脳ができる分子メカニズムに迫った論文を解説。筆頭/責任著者の難波さんからコメントを頂いていますので、ぜひ最後までご覧下さい! 目次 管理人による論文解説 管理人コメント ★筆頭/責任著者の難波隆志さんからのコメント 管理人による論…

インプリント鎖が脳発生に重要!?(筆頭著者による論文紹介)

インプリント鎖も機能している⁉ 母方鎖からだけ発現されているとされていたp57という遺伝子が、脳においてわずかながら父方鎖からも発現していることを発見。 さらに父方鎖のp57遺伝子座を欠失させると脳発生が異常になる。

2019年生命科学研究まとめ&2020年展望

管理人の独断と偏見による2019年生命科学研究のまとめと2020年の展望、そして今年バイオステーションでアクセス数の多かった記事を紹介!

神経活動が寿命を決める!?

私たち人を含め生き物は病気にならなくても、老いていき、ある程度の寿命で死んでしまう。 このどうして老いていくのか、何が寿命を決定するのか、というのは人類が長年探し求めてきた疑問の一つである。 ここ数十年で、生命科学の発展により老化や寿命を規…

発生イベント制御に関与するLin28a遺伝子の時期特異的な発現操作による表現型解析(筆頭著者による論文紹介)

今回、筆頭著者による論文紹介第3弾(第1弾ペルオキシソーム、第2弾場所細胞)ということで、(元)東大薬、遺伝学教室の村松さんにご寄稿いただきました!管理人は研究内容はもちろん、大変だったことに書かれているゼロイチ実験(ネガデータの場合得られる情報…

ニューロンは特別ではない?_2

前回の記事で、ショウジョウバエの気嚢原基はサイトニーム(下の図のもしゃもしゃしたやつ)という特殊な突起を持っていて、そこからシグナルを受け取ることを紹介してきた。 このサイトニームはなんだか特別な構造体のように思えるが、まあそうでもない。 ニ…

ニューロンは特別ではない?_1

ニューロンは長い突起を持ち、その先でシグナル分子をやり取りする。 ニューロンは意識など脳の主要な働きを担うとされることから、ニューロンは特別ですごい細胞だと思っている人もいるかもしれない。 今回は、全然そんなことない、ニューロンは特別ではな…

肥満が摂食のブレーキを外す!?

肥満は全世界で5億人の人が困っているとされる。ただ太っているだけならまあ良いが、肥満は種々の疾患を引き起こすため、その原因の解明は重要である。 では、肥満はどうして起きてしまうのだろうか? 原因の一つは必要なエネルギーに対して過剰に食物を食べ…

記憶が遺伝する!?

生物学では、長い間、後天的に獲得した形質は次の世代には遺伝しないと考えられてきた。 ところが近年、この通説を覆すような事例が報告されつつある。 最も有名な例が、第二次世界大戦中のオランダ飢饉の例である。 第二次世界大戦中にナチスドイツの出入港…

「現在地」と「目的地」の情報は脳内でどのように処理されているか(筆頭著者による論文紹介)

筆頭著者による論文紹介第2弾、東大薬の青木さんにご寄稿いただきました! メディア出演などでもおなじみの池谷裕二研究室に所属されています。 とても丁寧にご解説頂きましたので是非最後までご覧ください! ----- 初めまして。東大薬の青木と申します。私…

麻酔薬の作用する細胞は?

麻酔薬は、生存状態を保ちながら知覚と随意運動能力を抑制する。 まさに魔法のような薬であり、外科手術には必須のものである。 人類史上、初めての全身麻酔による外科手術は1804年、日本人の医家、華岡青洲によって実現された。(以下肖像) 華岡青洲は朝鮮朝…

ニューロンの多様性を作るメカニズム

私たちは常に外界からの情報を受け取り、処理し、行動に結びつけている。 ご存知のように、これらの情報処理を行うのに重要な器官は"脳"である。 脳の中でも神経細胞、ニューロンがとても重要であることが知られている。 人間には非常に多くのニューロンが存…