2021年生命科学研究まとめ&2022年展望
学生の漫談みたいな感じなのであしからず。昨年の2020年まとめ&2021年展望はこちら。
全体のまとめ、神経幹細胞研究、今年面白かった論文という感じの流れです。最後にバイオステーションの来年の目標とお願いがあります。
全体
相変わらずコロナの論文は多いが事情が事情なので納得。正直全然フォローできていないが、、、
興味深い感じがしたのは相分離の論文がトップジャーナルでは激減したこと。研究を始めて流行ができてしぼんでいく様子が見れた。
来年熱くなる分野、、どうでしょうね。Alpha fold2も出たし細胞内でタンパク質の構造見るテク(Cryo-ETとか?)も流行しつつあるので構造解析の分野は新時代に移るんでしょうか(分野外なので分からないですが)。というわけで、管理人が比較的理解できる分野のまとめに移ります。
神経幹細胞研究(特に胎生期)
今年はトップジャーナルに神経幹細胞研究は全然載りませんでしたね、、ラボのスラックに神経幹細胞の論文を(手動で)集めるチャンネルがあるのですが、それによると今年はマウスの胎生期神経幹細胞運命制御でCNSに載った論文は0らしい。本当かな、、
成体では概日リズムと神経幹細胞の論文が一報出て、胎生期でもhumanでは数報出ましたね。これだけ少ない中で2報NatureにだしたTom Nowakowski恐るべし、、
去年も同じ事書いてましたが、全体のトレンドとしては純粋な神経発生だけではちょっと苦しくて、進化とか疾患とかと結びつけていかないとなあ、という感じでしょうか。もちろんまだまだ分かっていない重要な課題はたくさんあるので来年以降も神経幹細胞関連の面白い論文に期待です。
今年でた面白かった論文
Twitterで紹介した中で面白かった論文をいくつかピックアップしました。(順不同)
・年1回のラボのジャーナルクラブで扱った論文。脂質もユビキチン化されるのか。。!
脂質もユビキチン化を受ける
— Bio-Station/バイオステーション (@Bio_stations) 2021年5月20日
サルモネラ菌に感染したときに菌の膜成分をユビキチン化することで分解し、生体防御に効くというモデル。修飾酵素も同定し、このうち意外なドメインが重要なことも発見
おもしろ!さらなる謎も多いな!https://t.co/3ViAfzqk7m
・直接聞いた話で一番感動した論文。論文の内容もだがフォーカスを変えて毎回面白い論文を出してくるAndrea Pauliすごい。
卵子で翻訳を止めておく意外な方法(preprint)
— Bio-Station/バイオステーション (@Bio_stations) 2021年11月5日
卵子は受精後しばらくまで翻訳を止めておくことが知られる。このメカニズムとしてリボソームに直接結合し翻訳を抑制する新規因子Dap1bを同定。いろんな種で保存されたメカニズムぽいらしい
今年一番衝撃だった論文。おすすめ。https://t.co/o0kSfLW3g4
・セミナー聞いてビビった論文。
筆頭著者のトークを聞いて震えた論文
— Bio-Station/バイオステーション (@Bio_stations) 2021年6月26日
これまで不明だった植物でDNAメチル化がトランスポゾンの発現を抑える実行因子としてMbd5/6を同定
さらにまさかのヒートショックタンパク質の一種がMbd5/6と相互作用しこの抑制に効くことを報告
かなり面白いと思います。たぶんhttps://t.co/ssJyCQ59wP
バイオステーション来年の目標とお願い
目標
・バイステでは来年から新しいコンテンツを始めます。近日詳細を発表できるように頑張ります。
・来年もゆるりとTwitter、ブログ記事、新コンテンツを無理なく続けていきたいと思います。
お願い
・よく間違えたこと書くので是非ご指摘よろしくお願いします。
・どういう形でもバイステをヘルプしてくれる方募集してます。特にたまに紹介記事書いてくれる方やWebページきれいにしていただける方いらっしゃいましたら是非、、!
では、よいお年を。来年もよろしくお願いします。