Bio-Station

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2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

リン酸化しないリン酸化酵素もどきの機能

細胞内でのシグナルを伝達手段として、数多くの翻訳後修飾があげられる。 なかでも、リン酸化は細胞増殖や細胞生存などで必須の役割を果たすことが知られている。 * これらのリン酸化を行う酵素はキナーゼ(リン酸化酵素の総称)と呼ばれる。 これらキナーゼ…

Error in gzfile(file, "wb") : cannot open the connection

図のplotでのエラー Error in gzfile(file, "wb") : cannot open the connection ----- なんかアカウント名が日本語なのが良くないらしい 前後に pdf(data,"name.txt",...) plot... dev.off() とつけるとうまくいった。 ------ アカウント名は英語に使用...

ニューロンへのリプログラミングの道_4 (低分子化合物で)

これまで3回にわたって、 遺伝子導入によって線維芽細胞をニューロンに系譜転換する方法とそのメカニズムを紹介してきた。 今回は、遺伝子導入ではなく、低分子化合物でこのような系譜転換を行う例を紹介する。 ----- 遺伝子導入による系譜転換は、 - ウイル…

ニューロンへのリプログラミングの道_3 (Brn2, Ascl1, Myt1l)

これまで2回にわたって、Brn2,Ascl1,Myt1l (BAM因子)の過剰発現で線維芽細胞をニューロンに系譜転換できること、 そして、Ascl1とBrn2の働くメカニズムを紹介してきた。 今回はこのBAM因子の中で最も謎に包まれたMyt1lについて紹介する。 ----- Myt1lはmyeli…

ニューロンへのリプログラミングの道_2 (Brn2, Ascl1, Myt1l)

前回、Brn2,Ascl1,Myt1lの3つの遺伝子(頭文字をとってBAM因子)の強制発現だけで、 線維芽細胞をニューロンに系譜変換できることを紹介した。 ニューロンへのリプログラミングの道_1 (Brn2, Ascl1, Myt1l) - Jugem’s blog では、これらの3つの遺伝子はどのよ…

ニューロンへのリプログラミングの道_1 (Brn2, Ascl1, Myt1l)

私たちの体を構成する多くの分化細胞(皮膚細胞、神経細胞、血球、などなど)は、 発生の段階で、より未分化性の高い細胞から生み出される。 その様子はまるで球が坂を下り落ちるような状態にたとえられ、 坂を上るように細胞の状態が変化することはほとんどな…

ポリAテールはAだけじゃない!

DNAから転写された一般的なRNAは、キャッピングやスプライシングといった 様々な加工を受けたのちに成熟RNAとなり核外に輸送される。 特に、RNAの3末端側にAが付加されるポリAテーリングという修飾は、RNAの翻訳効率や安定性に関わるためとても重要である。 …

タコの神経基盤

タコは、5億年も前にヒトとは進化的に分離した種であるが、 無脊椎動物としては最も神経が発達していることや、 特徴的な足の吸盤、ぎょろっとした目、などからモデル動物として有用らしい。 ------ 今回筆者らは、特にその行動の多様性に着目し、 タコの神…

シングルセルMNase-seq

細胞の中で遺伝子の発現を制御するメカニズムとして、クロマチン*の状態が大切であることがよく分かっている。 すなわち、ある遺伝子の転写開始点付近がオープンであればその遺伝子は発現しやすく(ユークロマチン)、 クローズであれば遺伝子発現はしにくい(…

RNAを時計代わりに

近年、単一細胞ごとに遺伝子発現を記述するシングセルRNAseqが開発され、その威力を発揮している。 特に、発生の過程においては遺伝子発現のパターンから擬時間軸を推定するpseudotime解析が広く使われている。 ところが、このシングルセル解析は解析した時…

核内でRNAを制御する

Argonauto(AGO)はmiRNAによるサイレンシングの実行因子であるRISC complexの構成要素である。 従来AGOは細胞質で標的mRNAと相互作用すると考えられてきたが、近年核にもAGOが存在していることが分かってきた。 しかし、どのような細胞で核にAGOが存在するの…

プーさんからの手紙

黄色いプーさんじゃなくて、Mu-ming Pooという有名な神経学者がラボのメンバーに送ったメール。 気合い入れて研究しろ、という内容なのだが、表現もまあまあ激しくて読んでいる分には面白い。 今のボスからこれが届いたら縮みあがるけど。 簡単に訳したので…

ヒトでの骨幹細胞の発見

ヒトでの骨幹細胞の発見 私たちのまさに骨格となる骨は他の組織と同様に骨の幹細胞から生まれると考えられる。 このヒトにおける「骨の幹細胞」は、長らく存在こそ想定されてきたが、 その実体は未だつかまれていなかった。 今回の論文*では、ついにヒトでの…