Bio-Station

Bio-Stationは日々進歩する生命科学に関する知見を、整理、発信する生物系ポータルサイト、を目指します。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

エンハンサー大事

私たちの体がきちんとできあがるためには、 皮膚の細胞は皮膚の細胞へ、脳の細胞は脳の細胞へと それぞれの細胞がそれぞれのなるべき細胞に分化する必要がある。 この細胞の運命がきちんと制御されることが、正しい発生に極めて重要である。 細胞の運命は転…

温度に合わせて性別が決まるメカニズム

それなりの種類の爬虫類は、卵の時の温度に合わせて性別を決定するという仕組みを持っている。 例えばアカミミガメでは26℃ではほとんどオスになるが、 32℃ではほとんどがメスになることが知られている。 温度で性別をさせる利点ははっきりとは分かっていない…

なぜ毒ガエルは自分の毒で死なないのか?

多くの生物学研究は、マウスやハエ、線虫やゼブラフィッシュなどの モデル生物を用いて行われている。 モデル生物はこれまで数多くの知見が蓄積しているので、 研究を進めるには非常に便利である。 その一方で、地球上にはモデル生物以外の種も数多く存在し…

アストロサイトがリズムを作る

昨年は本庶佑先生がノーベル賞を受賞されて盛り上がりましたが、 おととしのノーベル医学生理学賞は何だったか憶えているでしょうか。 おととしのノーベル医学生理学賞は "概日リズムをコントロールする分子メカニズム"の発見に対して、 ジェフリー・ホール…

long non-coding RNAは意外と、、、??

生き物のゲノムにはlong non-coding RNA(lncRNA) (タンパク質をコードしていない長いRNA) が数多く存在していることが分かっている。 これまで数多くの因子のlncRNAの機能が報告されてきたが、 意外と発生に不可欠であるという報告は少なく、 lncRNAが"死ぬ…

ゾフルーザの作用機序 -Snatching the cap-

今年もインフルエンザが広まる季節になってきましたね。 当ラボでもボスを始めとして発症者が出てしまいました.... ただ、去年までと様相が異なるのは、 "ゾフルーザ"という新しい薬が出ていることだろう この"ゾフルーザ"の作用機序は結構興味深いので、 こ…

Act locally !

最近の神経科学のトレンドの一つとして、 "軸索でのローカルなもろもろの制御"というのが挙げられる。 例えばこれまで、mRNAはaxonでローカルに必要な場所で合成されるだとか、 m6a修飾がaxonで特異的におこるとかが報告されてきた。 さらに、最近オルガネラ…

ニューロンを生むべきか、グリアを生むべきか

私たちの脳はニューロンやグリア細胞といった細胞から構成される。 このニューロンやグリア細胞は発生期において 共通の起源である神経幹細胞から生み出されることが知られている。 神経幹細胞は興味深い性質を持っていて、 発生の初めの方にはニューロンだ…