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採用できなかった論文たち_1

比較的最近の論文の中で、このブログで解説しようと思ったが
(主に編集者の力不足により)扱いきれなかった論文をまとめて紹介する。
 
 
まず、Molecular CellにBack-to-backで出ていた2本の論文。
- Systematic Study of Nucleosome-Displacing Factors in Budding Yeast
- Sequence-Directed Action of RSC Remodeler and General Regulatory Factors Modulates +1 Nucleosome Position to Facilitate Transcription
酵母の系を用いて、パイオニアファクターを網羅的に探した論文。
転写因子の中からヌクレオソームをはじき出す活性があるものを探している。
哺乳類への保存性や一般性が見いだせればかなりすごいように思う。
 
 
次に長生きの薬を見つけたという論文2報。
- Drug Synergy Slows Aging and Improves Healthspan through IGF and SREBP Lipid Signaling, Dev. Cell, 2018
- De novo NAD+ synthesis enhances mitochondrial function and improves health, Nature, 2018
1つ目は線虫で、2つ目はマウスでも
寿命が長くなる化合物を探し当てることに成功していた。
こういった報告はよくあるので、新規性がいまいちピンとこなかったので断念。
 
 
次はスプライシングと難聴
- Defects in the Alternative Splicing-Dependent Regulation of REST Cause Deafness, Cell, 2018
1つの遺伝子のスプライシングの変化で難聴になるらしい。
また、ヒトの難聴でもこのスプライシング異常がみられるといっていたような。
 
 
最後に、
- A LINE1-Nucleolin Partnership Regulates Early Development and ESC Identity, Cell, 2018
トランスポゾン由来のリピート配列であるLINEが
ES細胞の運命に大事であるという報告。
 
Nature Genetics, 2017に似たような報告があった上に、
両方まじめに読んで差をみるのをめんどくさがってしまった。
それにしてもLINEは結構面白いし、注目もされている。
Cellだけでも2018年に他に2報は出ていたと思う。
 
とりあえず今回はこんなところで。